革製品のロスのお話

HPの構築は随分落ち着きミシンに向かう時間が少し戻ってきましたので、製作に伴うネタです。
革に限らず、物作りには常に付き纏う材料のロス。ロス材を整理する前にネタにでもしようと思って書いてみる事にしました。布帛物と比べても多量のロスを出すのが革製品ですので、僅かにでも理解を深められればと。

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製造毎出る多量の残革

ロスが多いという事は知られていたりする革製品ですが、親しいお客様からどの程度ロスが出るか?と聞かれる事があったりします。
作る物や、革の種類、革の状態でマチマチなので何とも言えませんが、簡単に書いてしまえば、ベリーと言われるお腹の部分は廃棄ですし、首周りも良くない事が多いので廃棄です。他、傷を避けたり、焼印がある場合はその付近も避けるのでその一体がゴミになります。

ゴミとは言え、ヌメ系の革は比較的高価なので若干残したりするのですが、いとも簡単に溜まっていきます。
ウチのゴミBOXもこの通りです。

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定期的の処分したり、お客様に差し上げてしまったりしているのですが、革を仕入れればすぐにこうなります。
画像で丸まってるまとまった革は大体ベリーです。もしくはショルダー近辺にトラが多くゴミBOX行きになったモノとかです。

細かい革は目立つ傷を避けたり、純粋に余ったりした部分。

残革の行方

残った革ですが、上に書いたとおりベリーや首周りは基本廃棄です。少量はサンプル製作の為に残しますが、ぽんぽんサンプルを組むわけでは無いので大半が廃棄される訳です。

細かい革は、良い部分も残っているので細かいパーツになる事がありますが、コチラも溜まっていく一方なので何処かで処分するのが常です。

この廃棄ですが、実に勿体無い。
僕が自分で主に使うのはピットなめしのヌメ革が多いのですが、牛革の中では高額な部類です。通常業者は1枚(半裁もしくは丸革)単位で購入しますので、使えないと分かっているベリーの分の代金も払っていますから、費用的にも勿体無い。
それに生き物からの恵みです。基本的には食肉の残りな訳ですが、とはいえ何とも言えない気持ちです。

ちなみに、僕の場合小物を作ることが多いので、この程度で済んでいますが洋服となるともっとロスが出ててしまうのはお分かりかと思います。服のパーツは面積が大きいですから。

以前、革の事で何処かで書いているかも知れませんが、運動量の多い馬や鹿等は本当にロスの嵐になる訳です。

残革で製品を作れない?

この残り革の扱いで良く言われるのが、製品にすれば良いってお話。

服であれば、傷を含ませれば製品を作り出す事も出来ます。
服の場合、傷や色むらの影響で避けて組めない事があり、革そのもの質は悪くない なんて事がありますから。この件は以前書いたので、そちらの記事をどうぞ
良い革? 悪い革?

スクラッチレザーは賛否両論あるのは十分理解しているのですが、とても大切な事だと思っています。一部の理解ある方からは『良くチャレンジしたね』なんて言って頂きましたが、実はそもそもは古巣のプランツで生まれた案です。プランツは革の問屋からの派生なので社長は良く革を理解している人でした。だからスクラッチって企画も理解していた。
2006年くらいだったかな?スクラッチの鹿革を2モデル展開した時期なんかもあり、僕も1着持っていますがとても良いモデルでした。フルタンニンの鹿で70000円位で販売したのだからとてもお買い得で、スクラッチならではだったと思います。他にもチョイチョイ出してましたね。

でも小物は難しい。というかそもそも面積が大きくないから、良いコンディションの余る面積は少ない。ベリー等は強度が低いから使いたくない。
パッチワークにしたらどうか?なんて言われたりもするのですが、これ、出来ない事は無いのですが縫ってる時間が長くなるワケで、1個アタリの製作時間かなりのものになりますよね。たとえば5時間の製品と10時間の製品を同じ価格にするワケにはいきません。普段まともな価格設定なら時給が半分になるワケですから。

で、結局勿体無いのは事実ですから、下げ札にしたりお客様に差し上げたりして、出来るだけ廃棄しないというのが精一杯ってトコロです。

まとめ

綺麗な革で作るのは当たり前ですから、それをお客様が求めるのは当たり前だと思いますし、悪い事ではありません。
メーカーをやる方も物作りをやらない、知らない、分からない なんて人が多くなってるようですから何も感じないメーカーさんも多いのかも知れません。
ですが、自分作らないまでも、せめて自分で材料を用意してみれば色々分かるかも知れませんね。特に馬か鹿をやればいかにロスが多いか分かるかも知れません。ロスを小物に変えても消化出来ない位増えていきますから。

色々理解が進んだとしても、結局ロスは出る製品なので何か変わるってワケじゃないのですが、結構大変なんだよってお話でした。

ではでは

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